【刑事訴訟法入門11】接見交通権の意義と接見指定の判断枠組み
この記事を読んで理解できること
- 接見交通権の意義
- 接見指定制度
- 接見指定の要件──「捜査のため必要があるとき」の解釈
- 接見指定の内容
- 発展的論点
- 試験答案の構成方法
「接見交通権って何?なぜ重要なの?」
「接見指定ってどういう場合にできるの?」
「逮捕直後の初回接見はなぜ特別に重要視されるの?」
刑事訴訟法を学ぶ中で、こうした疑問を持った方は多いのではないでしょうか。
接見交通権とは、身柄を拘束された被疑者・被告人が、弁護人又は弁護人となろうとする者と立会人なしに接見できる権利です(刑訴法39条1項)。
被疑者・被告人が弁護人から有効かつ適切な援助を受けるためには、弁護人と自由に意思疎通ができることが不可欠であり、接見交通権は、弁護人依頼権(憲法34条前段)を実質的に保障するための中核的な権利として位置づけられています。
もっとも、身柄を拘束された被疑者の取調べには時間的制約があることから、刑訴法39条3項は、捜査機関が「捜査のため必要があるとき」に接見の日時・場所・時間を指定できるとする接見指定制度を設けています。
この制度をめぐっては、接見交通権の保障と捜査の必要性との調整のあり方について、多くの判例が蓄積されてきました。
本記事では、接見交通権の意義と法的根拠を整理したうえで、接見指定制度の要件と判例の展開、さらには接見交通に関する発展的論点について、予備試験・司法試験で頻出の重要判例を中心に解説します。
この記事で学べること
- 【初級】接見交通権の意義と憲法上の根拠
- 【初中級】接見指定制度の趣旨と要件
- 【中級】昭和53年判決・平成3年判決の判断枠組み
- 【中上級】平成11年判決による合憲性判断と指定の内容
- 【中上級】接見内容の聴取・面会接見など発展的論点
第1章 接見交通権の意義
1-1 弁護人の援助を受ける権利
現行法は、被疑者・被告人に対し様々な権利を認めていますが、その中でも重要なのが、弁護人の援助を受ける権利です。
憲法では、37条3項で被告人の弁護人依頼権が規定され、34条前段で身柄を拘束された者の弁護人依頼権が規定されています。
弁護人依頼権は、被疑者・被告人が自らに保障された手続的権利を行使するうえで極めて重要な役割を果たします。
通常、被疑者・被告人は法律に通じていないため、弁護人がついてはじめてその権利保障が実質的なものとなるからです。
1-2 接見交通権の意義と根拠
弁護人が選任された場合、弁護人が効果的な弁護活動をするためには、被疑者・被告人と会って事件について相談をし、防御の方針を立てることが不可欠です。
しかし、被疑者・被告人が身柄を拘束されている場合には、事実上、自由な接触ができません。
そのため、刑訴法39条1項は、身柄を拘束されている被疑者・被告人であっても、弁護人又は弁護人となろうとする者と、立会人なしに接見することができる権利(接見交通権)を保障しています。
接見交通権の憲法上の根拠について、最大判平11・3・24民集53・3・514(以下、「平成11年判決」という)は、次のように述べています。
「刑訴法39条は、前記のように1項において接見交通権を規定する一方、3項本文において『検察官、検察事務官又は司法警察職員(司法警察員及び司法巡査をいう。以下同じ。)は、捜査のため必要があるときは、公訴の提起前に限り、第1項の接見又は授受に関し、その日時、場所及び時間を指定することができる。』と規定し、接見交通権の行使につき捜査機関が制限を加えることを認めている。」(最大判平11・3・24民集53・3・514)
同判決は、接見交通権が憲法34条前段が保障する身体拘束を受けた者の弁護人依頼権に由来するものであると位置づけています。
【弁護人等との接見と弁護人以外の者との接見の比較】
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弁護人等との接見(39条1項) |
弁護人以外の者との接見(80条・207条1項) |
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立会人 |
不要(秘密接見) |
立会い等の制限あり |
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制限の根拠 |
接見指定(39条3項)──捜査のため必要があるとき |
「法令の範囲内で」(80条・207条1項) |
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保障の程度 |
憲法34条前段に由来する手厚い保障 |
法律上の権利としての保障 |
第2章 接見指定制度
2-1 接見指定制度の趣旨
刑訴法は、身柄を拘束された被疑者・被告人と弁護人の接見交通権を認める一方で、捜査機関が公訴の提起前に、被疑者に関して、「捜査のため必要があるとき」に、接見の場所や時間を指定できるとしています(39条3項)。
ただし、それは被疑者が防御の準備をする権利を不当に害するものであってはなりません(同項但し書)。
この条文に示されているとおり、接見指定制度は、接見交通権と捜査の利益との調整を図ることを意図したものです。
もっとも、わが国の捜査実務が伝統的に被疑者の取調べによる自白の獲得を重視してきたこともあって、かつては接見指定制度が、弁護人の接見をできるかぎり制限し、被疑者を隔離した状態で取調べを行う方向で使われることがしばしばありました。
2-2 一般的指定の問題
かつての実務では、指定権者たる検察官(検察官への送致前は警察の捜査主任官)が、接見指定が必要であると考えた事件につき、予め、被疑者が収容されている施設の長及び被疑者・弁護人に対し、接見の日時、場所、時間は「別に発すべき指定書のとおり指定する」旨記載した文書(一般的指定書)を交付しておき、弁護人から接見の申出があった場合には、その都度、接見の日時等を記載した書面(具体的指定書)を交付して、それに基づいて接見を行わせるという運用がなされていました。
この運用のもとでは、弁護人が具体的指定書を持参しないかぎり接見ができないため、事実上の接見の一般的禁止となるおそれがあるとして批判がなされました。
最高裁は、最判平3・5・31訟務月報38・2・298において、一般的指定を適法としましたが、その後、運用が変更され、一般的指定書は廃止されて「接見等の指定に関する通知書」に変更されました。
これにより、一般的指定の問題は過去のものとなっています。
第3章 接見指定の要件──「捜査のため必要があるとき」の解釈
3-1 学説の対立──非限定説と限定説
刑訴法39条3項にいう「捜査のため必要があるとき」の意味については、大別すると2つの見解が主張されてきました。
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非限定説(捜査全般説) |
限定説(物理的限定説) |
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内容 |
罪証隠滅の防止を含めて広く捜査の遂行に支障が生じるおそれがある場合をいう |
被疑者の身柄を利用した捜査が行われている場合に限られる |
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根拠 |
捜査の実効性確保の必要性 |
接見交通権は本来自由であり、制限は身柄利用と接見の時間的競合の調整にすぎない |
3-2 昭和53年判決の判断枠組み
こうした見解の対立がある中で、最高裁がこの点につき判断を示したのが、最判昭53・7・10民集32・5・820(以下、「昭和53年判決」という)です。
事案は、具体的指定を受けないまま、被疑者と接見するために警察署に赴いた弁護人が、接見を拒否されたため、それが違法であるとして国家賠償を請求したものです。
昭和53年判決は、弁護人等との接見交通権が「身体を拘束された被疑者が弁護人の援助を受けることができるための刑事手続上最も重要な基本的権利に属するとともに、弁護人からいえばその固有権の最も重要なものの一つである」としたうえで、刑訴法39条3項本文にいう「捜査の必要」の意味について、次のように判示しました。
「身体を拘束された被疑者の取調べについては時間的制約があることからして、弁護人等と被疑者との接見交通権と捜査の必要との調整を図るため、刑訴法39条3項は、捜査のため必要があるときは、接見指定をすることができると規定するが、弁護人等の接見交通権が憲法34条の保障に由来するものであることにかんがみれば、捜査機関のする接見指定は、あくまで必要やむをえない場合の例外的措置であって、被疑者が防御の準備をする権利を不当に制限することは許されるべきではない。」(最判昭53・7・10民集32・5・820)
この判決は、基本的に限定説の考え方に立つものと解されています。
接見指定制度の趣旨を、被疑者の身柄を利用した捜査と接見との調整を図るところにあるとし、接見指定はあくまで例外的な措置であるとしているからです。
3-3 平成3年判決──将来の取調べ予定がある場合
次の問題は、昭和53年判決が「捜査の中断による支障が顕著な場合」に明示している、「現に被疑者を取り調べ中であるとか、実況見分、検証等に立ち会わせる必要がある」場合以外に、どのような場合があたるのかです。
この点が問題とされたのが、最判平3・5・10民集45・5・919(以下、「平成3年判決」という)です。
事案は、弁護人Dが午後零時40分の時点で接見の申出をした際、被疑者Xの取調べは行われていなかったが、午後1時過ぎから取調べが予定されていたため、接見が認められなかったというものです。
平成3年判決は、接見の申出がなされた時点で、被疑者の身柄を利用した捜査が現に行われていない場合にも、接見指定の要件が充足されることを認めました。
すなわち、間近い時に取調べ等をする確実な予定があり、弁護人等の必要とする接見等を認めたのでは取調べ等が予定どおり開始できなくなるおそれがある場合も含むとしました。
この結論は、接見指定制度の趣旨が被疑者の身柄を利用した捜査と接見との調整を図ることにある以上、その調整が必要となるのは、接見の申出がなされた現時点に限らず、将来の時点である場合もあることから、昭和53年判決の判示から当然に予想されたものといえます。
3-4 平成11年判決──接見指定制度の合憲性
以上のような接見指定の要件についての最高裁の考え方の集大成と位置づけられるのが、前掲の平成11年判決です。
本件は、接見指定制度の合憲性が問題とされたものですが、それを判断する前提として、接見指定がいかなる場合に認められるかにつき、次のような判示を行いました。
まず、接見交通権と憲法34条前段の弁護人依頼権との関係について、接見交通権は憲法34条前段が保障する弁護人依頼権に由来するものであると述べ、そのうえで、捜査権の行使と接見交通権の行使との間に合理的な調整を図る必要があるとしました。
そして、平成11年判決は、接見指定制度の合憲性につき、次の3点を理由として、憲法34条前段に違反しないと結論づけました。
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① |
39条3項本文の予定している接見等の制限は、弁護人等からされた接見等の申出を全面的に拒むことを許すものではなく、単に接見等の日時を弁護人等の申出とは別の日時とするか、接見等の時間を申出より短縮させることができるものにすぎず、同項が接見交通権を制約する程度は低い |
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② |
接見等の指定ができるのは、弁護人等から接見等の申出を受けた時に現に捜査機関において被疑者を取調べ中である場合などのように、接見等を認めると取調べの中断等により捜査に顕著な支障が生ずる場合に限られる |
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③ |
この要件を具備する場合には、捜査機関は、弁護人等と協議してできる限り速やかな接見等のための日時等を指定し、被疑者が弁護人等と防御の準備をすることができるような措置を採らなければならない |
平成11年判決は、大法廷における裁判官全員一致の判決であり、これによって、実務上は接見指定の合憲性をめぐる争いには片が付いたといってよいでしょう。
第4章 接見指定の内容
4-1 逮捕直後の初回接見
判例によれば、接見を認めると「捜査に顕著な支障が生ずる場合」には、接見指定の要件が備わっていることになります。
しかし、そのうえで行われる接見指定の内容は、被疑者の防御権を不当に制限するようなものであってはなりません(刑訴法39条3項但し書)。
この点について1つの判断を示したのが、最判平12・6・13民集54・5・1635です。本件は、逮捕直後の初回の接見の申出に対して指定がなされた事案であり、最高裁は、逮捕直後の初回接見の特別な重要性について、次のように述べました。
「とりわけ、弁護人を選任することができる者の依頼により弁護人となろうとする者と被疑者との逮捕直後の初回の接見は、身体を拘束された被疑者にとっては、弁護人の選任を目的とし、かつ、今後捜査機関の取調べを受けるに当たっての助言を得るための最初の機会であって、直ちに弁護人に依頼する権利を与えられなければ抑留又は拘禁されないとする憲法上の保障の出発点を成すものであるから、これを速やかに行うことが被疑者の防御の準備のために特に重要である。」(最判平12・6・13民集54・5・1635)
この判示からすれば、逮捕直後の初回接見の場合には、接見指定の要件が具備された場合でも、即時又は近接した時点での接見を認めても捜査に顕著な支障が生じるのを避けることが可能かどうかを検討し、これが可能なときは、犯罪事実の要旨の告知等被疑者の引致後直ちに行うべきとされている手続及びそれに引き続く指紋採取、写真撮影等所要の手続を終えた後において、たとい比較的短時間であっても、時間を指定した上で即時又は近接した時点での接見を認めるようにすべきであるとされました。
4-2 指定の方法
接見指定の要件が備わっている場合の指定の適法性に関しては、指定の内容とともに、指定の方法も問題となりえます。
前述の平成3年判決の事案は、一般的指定がなされた事件で、警察署に直接に接見に赴いた弁護人に対し、検察官が、同警察署から往復2時間以上もかかる検察庁まで具体的指定書をとりにくるように要求し、弁護人がこれに応じなかったために、接見が認められなかったというものでした。
最高裁は、本件においては接見指定の要件が備わっていたとしたが、そこから直ちに具体的な接見指定が適法とは判断しませんでした。接見指定の方法については、次のように判示しています。
「捜査機関が右日時等を指定する際いかなる方法を採るかは、その合理的裁量に委ねられているものと解すべきであるから、電話などの口頭による指定をすることはもちろん、弁護人等に対する書面(いわゆる接見指定書)の交付による方法も許されるものというべきであるが、その方法が著しく合理性を欠き、弁護人等と被疑者との迅速かつ円滑な接見交通が害される結果になるようなときには、それは違法なものとして許されないことはいうまでもない。」(最判平3・5・10民集45・5・919)
現在では、指定は、ファックスを含む書面か口頭かのいずれかで適切に行うこととされており、その趣旨に沿った適切な運用がなされるかぎり、このような問題が起きることはないでしょう。
第5章 発展的論点
5-1 起訴後の余罪捜査と接見指定
接見指定は、刑訴法39条3項にあるとおり、「公訴の提起前に限り」行うことができます。つまり、公訴提起後の被告人と弁護人の接見について指定をすることはできません。
これは、起訴後は、被告人と検察官は対等な当事者であるから、一方の当事者である検察官が、他方の当事者である被告人の公判に向けた準備活動である弁護人との接見を制限することができるのはおかしいという考え方に基づくものです。
もっとも、事案によっては、被告人に、いまだ公訴提起されていない他の被疑事実(余罪)についての嫌疑が存在することもあります。
この場合に、余罪の捜査を理由に、被告事件の接見について指定ができるのかという問題が生じます。
この点について、最決昭55・4・28刑集34・3・178は、同一人につき被告事件の勾留とその余罪である被疑事件の逮捕・勾留とが競合している場合、検察官等は、被告事件について防御権の不当な制限にわたらない限り、刑訴法39条3項の接見等の指定権を行使できるものと判示しました。
5-2 接見内容の聴取
刑訴法39条1項は、被疑者・被告人が弁護人等と「立会人なくして」接見できるとして、接見の秘密性を保障しています。
ここから、接見に立会人を置くことが許されないのはもちろんのこと、例えば、接見室に機器を設置して接見中の会話を傍受することが許されないことも明らかです。
それでは、捜査機関が事後に被疑者・被告人を取り調べて接見内容を聴取することは許されるでしょうか。
近年、この点がいくつかの裁判例において問題とされています。
裁判例は、刑訴法39条1項によって秘密の接見交通権が保障されている趣旨から、捜査機関が事後に被疑者から接見内容を聴取することも原則として許されないとする点では一致しています。
もっとも、どのような場合に例外を認めるかについては見解が分かれており、被疑者・被告人が自発的に供述した場合に秘密性保護の必要性が低減するかどうかについての考え方の違いがあります。
5-3 面会接見
最判平17・4・19民集59・3・563(以下、「平成17年判決」という)は、接見のための設備を備えた部屋がない検察庁の庁舎内において接見の申出がなされた場合について、新たな接見の概念を創出しました。
平成17年判決は、接見指定の要件が備わっていない場合であっても、接見のための設備のある部屋等が存在しない場合には、弁護人等と被疑者との立会人なしの接見を認めても、被疑者の逃亡や罪証の隠滅を防止でき、戒護上の支障が生じないような設備のある部屋等が存在しない場合には、接見の申出を拒否したとしても違法ということはできないとしました。
そのうえで、即時に接見をする必要性が認められる場合には、検察官は、例えば立会人の居る部屋での短時間の「接見」(いわゆる秘密交通権が十分に保障されないような態様の短時間の接見。以下、便宜「面会接見」という)であってもよいかどうかにつき弁護人等の意向を確かめ、弁護人等がそのような面会接見であっても差し支えないとの意向を示したときは、面会接見ができるように特別の配慮をすべき義務があると解するのが相当であるとしました。
面会接見は、刑訴法の条文にはない接見形態を判例が創出したものであり、秘密性が保障されないかたちでの被疑者と弁護人との接見交通という新たな形態での接見概念を創出することによって、接見が認められる余地を拡大したものと位置づけられます。
第6章 試験答案の構成方法
6-1 論点の整理
接見交通をめぐる問題を答案で論じる際には、以下の論点を整理しておくことが重要です。
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論点 |
検討内容 |
参照判例 |
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接見交通権の意義 |
憲法34条前段に由来する権利としての位置づけ |
最大判平11・3・24 |
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接見指定の要件 |
「捜査のため必要があるとき」の解釈 |
最判昭53・7・10、最判平3・5・10 |
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指定の内容の適法性 |
防御権の不当な制限にあたらないか |
最判平12・6・13 |
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起訴後の余罪と接見指定 |
余罪捜査を理由に被告事件の接見を制限できるか |
最決昭55・4・28 |
6-2 接見指定の適法性を問う問題の答案構成
接見指定の適法性が問われる問題では、①接見交通権の意義・根拠、②接見指定の要件、③指定の内容の適法性という段階的な検討が基本です。
【答案構成の流れ】
- 問題提起:本件において捜査機関が行った接見指定は適法か
- 規範定立①(接見交通権の意義):接見交通権は、憲法34条前段が保障する弁護人依頼権に由来する権利であり、刑訴法39条1項がこれを保障している
- 規範定立②(接見指定の要件):接見指定は、あくまで必要やむをえない場合の例外的措置であり、接見等を認めると取調べの中断等により捜査に顕著な支障が生ずる場合に限られる
- あてはめ:事案の具体的事実を上記要件にあてはめる。現に取調べ中か、間近い時に取調べの確実な予定があるかを検討
- 指定の内容の検討:要件が充足される場合でも、弁護人等と協議してできる限り速やかな接見のための日時等を指定し、被疑者が防御の準備をすることができるような措置を採っているか
- 結論:適法・違法の結論を出す
まとめ
接見交通について、本記事では以下の点を解説しました。
- 接見交通権とは、身柄を拘束された被疑者・被告人が弁護人又は弁護人となろうとする者と立会人なしに接見できる権利であり(刑訴法39条1項)、憲法34条前段の弁護人依頼権に由来する(最大判平11・3・24)
- 接見指定制度は、接見交通権と捜査の利益との調整を図るために設けられたものであり、接見指定は、あくまで必要やむをえない場合の例外的措置である(最判昭53・7・10)
- 「捜査のため必要があるとき」とは、接見等を認めると取調べの中断等により捜査に顕著な支障が生ずる場合に限られ、現に取調べ中の場合だけでなく、間近い時に取調べ等をする確実な予定がある場合も含まれる(最判平3・5・10)
- 平成11年判決は、接見指定制度を定めた刑訴法39条3項本文の規定の合憲性を認めた(最大判平11・3・24)
- 逮捕直後の初回接見の申出に対しては、接見指定の要件が具備された場合でも、即時又は近接した時点での接見を認めるようにすべきである(最判平12・6・13)
- 面会接見とは、秘密交通権が十分に保障されないような態様の短時間の接見であり、平成17年判決が創出した新たな接見概念である(最判平17・4・19)
次回記事では、訴因の特定・明示について解説します。
【内部リンク:【刑事訴訟法入門⑫】


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