【初学者向け法律用語一覧】予備試験に必要な用語20選とおすすめの辞典

監修者
講師 赤坂けい
株式会社ヨビワン
講師 赤坂けい
【初学者向け法律用語一覧】予備試験に必要な用語20選とおすすめの辞典
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この記事を読んで理解できること
  • まず知っておくべき法律の基本用語
  • 予備試験対策でよく出てくる法律用語
  • 意味を間違えやすい法律用語
  • 裁判に関する基本的な法律用語
  • 初学者におすすめの法律用語辞典
  • 初学者が法律用語を覚える方法

あなたは、

  • 予備試験の勉強を始めたが法律用語の意味が分からない
  • 初学者が最初に覚えるべき法律用語が知りたい
  • 初学者におすすめの法律用語辞典が知りたい

とお考えではありませんか?

初学者が予備試験に向けてテキストを読もうとしたとき、そもそも法律用語の意味が分からず、読み進められなくて困っている方は多いのではないでしょうか。

実際、前提となる法律用語の知識がないと、基本書や過去問を読んでも内容が理解できず、学習を効率的に進めることができません。

そのため、法律初学者が予備試験に挑戦するなら、まずは基本的な法律用語を押さえることが不可欠です。

この記事を読めば、予備試験の学習に必要な用語や間違えやすい用語の正確な意味、初学者におすすめの法律用語辞典まで分かり、学習効率が大幅にアップするでしょう。

具体的には、

1章で、まず知っておくべき法律の基本用語

2章で、予備試験対策によく出てくる法律用語

3章で、意味を間違えやすい法律用語

4章で、裁判に関する基本的な法律用語

5章で、初学者におすすめの法律用語辞典

6章で、初学者が法律用語を覚える方法

について、詳しく解説します。

法律用語の正しい知識を身につけ、予備試験合格への第一歩を踏み出しましょう。

1章:まず知っておくべき法律の基本用語

予備試験の勉強を始める前に、法律学の土台となる以下の5つの基本用語の意味を理解しておきましょう。

  • 法律・命令・条例
  • 公法・私法
  • 実体法・手続法
  • 基本法・個別法
  • 判例・学説・通説

それぞれ説明します。

1-1:法律・命令・条例

「法律・命令・条例」は、それぞれ制定する機関と適用範囲が異なります。

■法律(ほうりつ)

国会が制定し、日本全国に適用されるルールです。

憲法に次ぐ効力を持ち、刑法や民法などが該当します。

■命令(めいれい)

法律の委任に基づいて内閣や各省庁が制定するルールで、具体的な手続きや基準を定めます。

政令や省令、内閣府令などがこれに当たります。

■条例(じょうれい)

地方自治体が制定し、その地域内でのみ適用されるルールです。

なお、「法令」は法律と命令を合わせた呼び方です。

これらは、効力の強さが「憲法>法律>命令>条例」の順になっており、上位のルールに反する下位のルールは無効となります。

1-2:公法・私法

「公法・私法」は、法律がどのような関係を扱うかによって分類した用語です。

■公法(こうほう)

国や地方自治体と私人(個人や法人)との関係、または公的機関同士の関係を規律する法で、憲法や刑法、行政法などが該当します。

国家権力の行使や制限を定めます。

■私法(しほう)

私人同士の関係を規律する法律で、民法や商法などが該当します。

契約や財産権など、対等な当事者間の権利義務を定めます。

1-3:実体法・手続法

「実体法・手続法」は、法律をその内容と役割によって分類した用語です。

■実体法(じったいほう)

権利や義務の内容そのものを定める法律で、民法や刑法、会社法などが該当します。

例えば、民法では、

「債務者がその債務の本旨に従った履行をしないとき又は債務の履行が不能であるときは、債権者は、これによって生じた損害の賠償を請求することができる」(415条1項)

と定めており、誰がどのような権利義務を持つかということを規定しています。

■手続法(てつづきほう)

実体法で定められた権利や義務を実現するための手続きを定める法律で、民事訴訟法・刑事訴訟法などが該当します。

例えば、民事訴訟法では、

「訴えの提起は、訴状を裁判所に提出してしなければならない」(134条1項)

という具体的な手順を定めています。

予備試験の勉強では、実体法で学んだ権利が手続法でどう実現されるかを関連づけて理解しましょう。

1-4:一般法・特別法

「一般法・特別法」は、法律を適用範囲の広さによって分類したものです。

■一般法(いっぱんほう)

一般法は、民法のように、その分野全般に適用される法律のことです。

■特別法(とくべつほう)

特別法は、借地借家法のように、その分野の中で、特定の状況にのみ適用される法律のことです。

特別法が優先的に適用され、特別法に定めがない事項については一般法が適用されます。

1-5:判例・学説・通説

「判例・学説・通説」は法律の解釈を示すものであり、法律学習において条文と同じくらい重要な概念です。

■判例(はんれい)

裁判所が、過去に具体的な事件について示した法律的な判断です。

特に最高裁判所の判断は、実務上強い拘束力を持ちます。

■学説(がくせつ)

法律学者が示す、法律の論点に対する意見や解釈のことで、複数の異なる見解が存在することが多くあります。

■通説(つうせつ)

学説の中で、多くの学者に支持されている有力な見解を指します。

予備試験では、判例に沿って解答することが基本です。

ただし、判例がない論点では、学説や通説を参考にする必要があります。

2章:予備試験対策でよく出てくる法律用語

予備試験の勉強を始めると、以下のような専門用語が繰り返し登場します。

  • 規範・規範定立
  • 当てはめ
  • 論証
  • 要件・効果
  • 構成要件・要件事実
  • 射程

それぞれ説明します。

2-1:規範・規範定立

■規範(きはん)

具体的な事案の判断基準となる、法的なルールや決まりごとのことです。

条文や判例などが該当します。

■規範定立(きはんていりつ)

問題となっている事案に適用すべき規範を明らかにすることです。

予備試験の論文式試験では、まず適切な規範を定立し、その後に事実を当てはめて結論を導くという流れが基本となります。

2-2:当てはめ

当てはめとは、定立した規範に対して具体的な事実を照らし合わせ、規範の要件を満たすかどうかを評価することです。

予備試験の論文式試験では、「規範定立→当てはめ→結論」という流れで答案を書くのが基本です。

これを法的三段論法といいます。

2-3:論証

論証(ろんしょう)とは、ある法律問題の論点について、規範(条文・判例など)や法解釈を示しながら、その結論と理由を論理的に説明することです。

試験では同じような論点が繰り返し出題されるため、主要な論点は論証パターンを暗記しておくことが効率的な対策となります。

ただし、論証パターンを丸暗記するだけで試験に合格することはできません。

問題文に応じて論証を適切に修正・応用し、当てはめ部分では具体的事実に即して論理的に展開する能力が求められます。

2-4:要件・効果

■要件(ようけん)

ある法律効果が発生するために満たさなければならない条件のことです。

■効果(こうか)

要件が満たされたときに発生する法律上の結果のことです。

例えば、民法第709条は「故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した」が要件で、「これによって生じた損害を賠償する責任を負う」が効果です。

論文式試験では、問題文の事実が各要件を満たすかを順番に検討し、全て満たせば効果が発生するという論理展開が基本となります。

2-5:構成要件・要件事実

■構成要件(こうせいようけん)

主に刑法において、犯罪が成立するために必要な要件のことです。

例えば、刑法第235条であれば「他人の財物を窃取した」こと、刑法第199条であれば「人を殺した」ことが構成要件になります。

刑法の論文式試験では、「構成要件該当性→違法性→有責性」という順序で検討するため、まず問題となる行為が構成要件に当てはまるかを判断します。

■要件事実(ようけんじじつ)

法律の効果を発生させる法律要件に該当する具体的な事実のことです。

主に民法や民事訴訟法の論文式試験において、原告の請求を認めるために必要な要件事実を特定し、それが認められるかを検討します。

両者は使用される科目や場面が異なりますが、いずれも法律効果を発生させるための基礎となる事実を指します。

2-6:射程

射程(しゃてい)とは、ある判例が示した法律解釈や判断基準が、どの範囲の事案にまで適用できるかという範囲のことです。

予備試験の論文式試験では、判例を引用する際に、その判例の射程を正しく理解した上で、目の前の事案に適用できるかを検討する必要があります。

3章:意味を間違えやすい法律用語

法律用語の中には、日常用語と似ているために意味を取り違えやすいものや、似た用語同士で混同しやすいものがあります。

代表的なものは、以下の5つです。

  • 推定する・みなす
  • 善意・悪意・過失
  • 適用・準用・類推適用
  • 及び・並びに
  • 又は・若しくは

それぞれ説明します。

3-1:推定する・みなす

「推定する・みなす」は、どちらも「〜として扱う」という意味で使われますが、後から覆せるかどうかという点で決定的に異なります。

■推定する(すいていする)

ある事実から、ほぼ確実だと考えられることを一応の結論とするものの、それを否定する証拠があればその結論を覆すことができるという意味です。

例えば、民法第772条は婚姻中に妊娠した子を夫の子と推定しますが、DNA鑑定などで血縁関係がないと証明されれば覆ります。

■みなす

実際の事実に関係なく、法律上はそうであると扱うことを意味します。

たとえそれを否定する証拠があっても、覆すことができません。

例えば刑法第242条では、自分の物であっても、他人が占有している場合は他人の物とみなすとされており、相手に無断で取り戻すと窃盗罪になる可能性があります。

3-2:善意・悪意・過失

「善意・悪意」は、日常用語と法律用語で意味が大きく異なるため、最も間違えやすい用語です。

■善意(ぜんい)

ある事実を知らないことを意味します。

日常用語の「良い感情」という意味ではありません。

例えば、民法では「善意の第三者」という表現が登場しますが、これは「当事者間の事情を知らなかった第三者」という意味です。

■悪意(あくい)

ある事実を知っていることを意味します。

これも日常用語の「悪い感情」という意味とは全く異なります。

■過失(かしつ)

必要な注意を怠ったという法的な落ち度を指します。

「善意無過失」という用語がありますが、これは「注意していたがその事実を知らなかった」という意味になり、「善意有過失」は「不注意でその事実を知らなかった」という意味になります。

3-3:適用・準用・類推適用

「適用・準用・類推適用」は、いずれも条文を使う際の方法を示す用語ですが、条文をそのまま使うか修正して使うかという点で異なります。

■適用(てきよう)

ある条文を、本来想定される事案にそのまま当てはめることです。

■準用(じゅんよう)

ある条文を、類似の事案に対して、必要な文言を読み替えて当てはめることです。

法律に「Aの規定はBについて準用する」などと明記されています。

例えば、民法第764条では婚姻の規定の一部を協議上の離婚について準用するとあるので、該当の条文で「婚姻」と書かれた部分を「離婚」に読み替えて条文を使います。

■類推適用(るいすいてきよう)

法律に規定がない事案について、その性質が似ている別の事案の条文の趣旨を借りて適用することをいいます。

3-4:及び・並びに

「及び・並びに」は、どちらも複数のものを並べるときに使いますが、並べるものの階層によって使い分けます。

間違えると条文の意味が変わるので要注意です。

■及び(および)

同じレベルのものを並列するときに使う接続詞です。

■並びに(ならびに)

グループ分けされたものを並列するときに使う接続詞です。

例えば、「A、B及びC」と書かれた場合は「AとBとC」と全て同じように扱いますが、「A及びB並びにC」と書かれた場合は、「(A及びB)と(C)」という2つのグループに分かれます。

具体的な事例は、民法第598条第2項の「使用貸借の期間並びに使用及び収益の目的を定めなかったとき」という条文です。

これは、「使用貸借の期間」と「使用と収益の目的」の2つについて定めなかったときと読みます。

3-5:又は・若しくは

「又は・若しくは」は、どちらも選択肢を示す接続詞ですが、「及び・並びに」と同様に階層によって使い分けが決まっており、混同すると条文の意味を取り違えます。

■又は(または)

同じレベルの選択肢を並べるときに使います。

■若しくは(もしくは)

グループ分けされた選択肢を並べるときに使います。

基本的には「及び・並びに」の関係と同じ構造です。

例えば、「A、B又はC」は「A・B・Cのうちいずれか」という意味ですが、「A若しくはB又はC」と書かれた場合は「(AかB)と(C)のどちらか」という2つのグループに分かれます。

具体的な事例は、刑法第108条の「死刑又は無期若しくは五年以上の拘禁刑に処する」という条文です。

これは、「死刑」と「無期か五年以上の拘禁刑」のどちらかに処するという意味です。

4章:裁判に関する基本的な法律用語

法律の勉強をするなら、裁判に関する用語も理解しておく必要があります。

その中でも、初学者がまず覚えるべき用語は、以下の4つです。

  • 訴えの提起
  • 原告・被告・被告人
  • 却下・棄却
  • 控訴・上告

それぞれ説明します。

4-1:訴えの提起

「訴えの提起(うったえのていき)」とは、裁判所に対して訴状を提出することにより、民事訴訟を開始する行為です。

訴状とは、何を求めるか(例えば「100万円を支払え」)とその理由(例えば「契約違反があったから」)などを書いた書面のことです。

訴えが提起されると、裁判所から相手方に訴状が送られ、相手方は反論する機会が与えられます。

その後、双方の主張と証拠に基づいて裁判所が判断を下します。

4-2:原告・被告・被告人

「原告・被告・被告人」は裁判の当事者を指す用語ですが、民事裁判と刑事裁判で使い分けられています。

■原告(げんこく)

民事裁判で、訴えを提起して裁判を求める側のことです。

■被告(ひこく)

民事裁判で、訴えられた側のことです。

■被告人(ひこくにん)

刑事裁判で、犯罪の疑いをかけられて裁判にかけられた人のことです。

刑事裁判を起こせるのは、事件の被害者ではなく、原則として国を代表する検察官のみです。

そのため、刑事裁判では「原告」や「被告」という言葉は使いません。

4-3:却下・棄却

「却下・棄却」は、どちらも裁判所が訴えを退けることを指しますが、退ける理由が根本的に異なります。

■却下(きゃっか)

裁判の要件を満たしていないために、中身の審理をせずに訴えを退けることです。

つまり、「そもそも裁判として受け付けられない」という判断です。

例えば、訴える権限がない人が訴えを提起した場合や、訴えた内容が(中身を審理するまでもなく)適切ではない場合などに却下されます。

■棄却(ききゃく)

裁判で実際に中身を審理した結果、訴えた側の主張が認められないと判断して訴えを退けることです。

つまり、「裁判はしたが、訴えた側の言い分は正しくない」という判断です。

4-4:控訴・上告

「控訴・上告」は、どちらも判決に不服がある場合に上級の裁判所に再審理を求める手続きですが、どの段階の判決に対して行うかが異なります。

■控訴(こうそ)

第一審(地方裁判所や簡易裁判所で行われる最初の裁判)の判決に不服がある場合に、高等裁判所に再審理を求める手続きです。

■上告(じょうこく)

第二審である高等裁判所の判決に不服がある場合に、最高裁判所に再審理を求める手続きです。

日本の裁判制度は三審制を採用しており、第一審→第二審(控訴審ともいう)→第三審(上告審ともいう)という流れで、原則として3回まで審理が受けられます。

5章:初学者におすすめの法律用語辞典

予備試験の学習を進める際は、分からない法律用語をすぐに調べられるよう、法律用語辞典を手元に置いておきましょう。

ここでは、初学者でも分かりやすいおすすめの法律用語辞典を2冊紹介します。

「有斐閣 法律用語辞典」

  • 編集:法令用語研究会
  • 出版社:有斐閣

内容紹介(出版社より):

◇総収録項目数 約1万4,000。

◇正確さ・わかりやすさを第一とし,1項目200字前後で簡潔に解説。

◇充実したレファレンス。

「デイリー法学用語辞典」

  • 編集:三省堂編修所
  • 出版社:三省堂

内容紹介(出版社より):

法学部生・資格試験受験生必携の法律用語辞典。

これ1冊で,六法がスイスイ読める!教科書がサクサクわかる!「立憲主義」といった基本用語から「つながらない権利」といった最新の法律用語まで網羅。

6章:初学者が法律用語を覚える方法

法律初学者が法律用語を効率的に覚えるには、意味を丸暗記するだけでなく、実際にどのような場面でどう使われるかを理解することが重要です。

法律用語は意味だけ覚えても使えません。

条文や判例、その他の法律文書の中で実際にどう使われるかを見て覚えることで、正確に使いこなせるようになります。

具体的には、英単語のように単体で覚えるのではなく、勉強中に出てきた用語について、その都度辞典で意味を確認し、文脈の中で覚えるようにしましょう。

また、過去問などを繰り返し解き、実際に答案でその用語を使ってみることで記憶が定着します。

このように、用語の意味を理解した上で実際に使う練習を繰り返せば、法律用語を着実に習得できます。

まとめ:初学者は予備試験対策前に基本的な法律用語を押さえておこう

法律初学者が、予備試験の学習を効率的に進めるためには、基本的な法律用語を正確に理解することが不可欠です。

法律用語の理解がなければ、基本書や問題集、条文などを読んでも内容を正しく理解できず、学習効率が大幅に低下してしまうからです。

まずは、本記事で解説した頻出用語から確実に押さえていきましょう。

これらの用語を理解できれば、テキストや過去問の理解もしやすくなります。

法律用語は、実際の使用場面を意識しながら繰り返しアウトプットすることで自然と定着していくので、過去問演習などを通じて実践的に習得していきましょう。

さらに、予備試験に特化した教材「ヨビロン」を活用すれば、1桁順位合格者のノウハウを体系的に学べるため、初学者でも効率的な学習が可能になります。

「客観的読解法」や「解法パターン」といった独自技術により、初見の問題にも対応できる実践的な解答力を短期間で身につけることができるでしょう。

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