働きながら予備試験合格は可能|今日から実行できるカンタンな対策5つ

監修者
講師 赤坂けい
株式会社ヨビワン
講師 赤坂けい
働きながら予備試験合格は可能|今日から実行できるカンタンな対策5つ
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チェック
この記事を読んで理解できること
  • 予備試験とは、司法試験の受験資格を得るための試験
  • 働きながら予備試験を目指すメリット
  • 働きながら予備試験を目指す難しさ
  • 働きながら予備試験に合格するための対策


あなたは、

  • 予備試験の概要を知りたい
  • 働きながら予備試験を受けた方の合格率を知りたい
  • 有効な予備試験対策方法を知りたい

とお考えではありませんか?

なかには法科大学院に進んだほうがいいのか、このまま働きながら予備試験を受けたほうがいいのか、迷っている方もいるでしょう。

どちらを選んでもメリット・デメリットがあり、法科大学院に進んだから安泰というわけではありませんし、働きながら予備試験を受ける場合も、会社と家庭の板挟みに遭い、時間が思うようにとれないという問題に直面しがちです。

多くの方が、平日の夜と土日祝日に勉強していくこととなり、それではライバルを突き放すことは難しく、いかにスキマ時間を有効活用し効率よく学習していくかが、合否を分けるといえます。

この記事を読めば、予備試験の概要、働きながら予備試験を受けた方の合格率、合格に向けてやるべきことを知ることができます。

具体的には、

1章で予備試験の概要

2章で働きながら予備試験に挑戦するメリット

3章で働きながら予備試験に挑戦する難しさ

4章で予備試験を突破するためにやるべきこと

について、詳しく解説します。

司法試験を目指すうえで避けることができない、はじめての選択です。

自分が選ぶべき選択肢は法科大学院か予備試験か、後悔しないようにするにはどうすればいいのかを慎重かつ丁寧に考えていきましょう。

1章:予備試験とは、司法試験の受験資格を得るための試験

予備試験とは、簡潔に述べると「司法試験の登竜門」です。

司法試験法第4条には、受験資格について次のとおり定められており、該当しない方は試験を受けられません。

  • 法科大学院課程修了者
  • 司法試験予備試験合格者

また、上記受験資格には期限があり、修了または合格後、最初の4月1日から5年と定められています。

法科大学院に2年(法学未修者は3年)通うか、予備試験を突破するかの2択となり、多くの社会人は仕事をしていることから、後者を選択しているようです。

ここでは、以下の2つの切り口で予備試験の概要を詳しく見ていきましょう。

  • 全体像
  • 合格率

それぞれ説明します。

1-1:試験の全体像(短答式・論文式)

令和7年司法試験予備試験は、下記のとおり実施されます。

  • 短答式試験 令和7年7月20日(日)
  • 短答式試験合格発表 令和7年8月7日(木)

  • 論文式試験 令和7年9月6日(土)、7日(日)
  • 論文式試験合格発表 令和7年12月18日(木)

  • 口述試験  令和8年1月24日(土)、25日(日)
  • 最終合格発表 令和8年2月5日(木)

予備試験は、短答式、論文式、口述と3つの試験の総称であり、短答式で不合格となれば論文式に進めず、翌年の再チャレンジに備え引き続き勉強をしていくことになります。

短答式に合格し論文式にも合格すれば、口述試験を受験できます。

論文式もしくは口述試験で不合格となれば、また最初(短答式)から受け直さなくてはならない、とても厳しい試験なのです。

特に論文式試験の合否の結果は、3カ月経過しないと判りません。

たとえ合格する自信があったとしても万が一の事態に備え引き続き、翌年の短答式試験対策を行っていく必要があるため気を抜けません。

ちなみに短答式の出題科目は刑法、民法を含む7つの法律基本科目+一般教養科目です。

論文式は法律基本科目、法律実務基礎科目に労働法、倒産法などの選択科目から出題されます。

1-2:合格率と求められる努力レベル

実際に予備試験の合格率はどうなっているのかを、確認していきます。

令和6年予備試験の最終合格者は449人、合格率は3.5%でかなり狭き門でした。

試験別の結果を見てみると下記のとおりで、短答式、論文式ともに5~6人に1人が合格しているため、試験自体は難易度が高すぎる試験であるとは言い切れません。

受験者数 採点対象者数 合格者数 合格率
短答式 12569名 12469名 2747名 21.8%
論文式 2647名 2617名 462名 17.4%
口述 462名 461名 449名 97.1%

口述試験は、よほどのことがないかぎり、不合格になることはないレベルといえます。

しかし予備試験は楽勝かといえば、そう甘くはありません。

短答式で「ふるい」にかけられ、残った方々は正直高レベルで、受験者全体の知識レベルは底上げされていきます。

そのため、論文式試験以降は、現役東大生など猛者と戦っていく世界となります。

令和5年予備試験の東京大学在籍者の最終合格率21.6%に対し、社会人の最終合格率は1.6%です。

原則一度きりの中学・高校受験とは異なり、前年に不合格という辛酸をなめた多くの方が、法曹に就くことを諦めることなく、さらに勉強を続けて知識を補強し、再び挑戦してきます。

いわゆるリベンジ組には、勉強の蓄積時間で圧倒的に負けている状態であるといえるので、初受験であれば、今日から短答式の試験日までほぼ毎日、仕事に支障が出ない範囲でコツコツとスキマ時間を勉強に充てていくように努めなければ、予備試験合格は難しいのです。

もちろん予備試験は、合格枠にかぎりがあるわけではなく、ライバルとの戦いというよりも自分との戦いになるのですが、ライバルの存在を意識したほうが勉強に身が入りやすくなるでしょう。

2章:働きながら予備試験を目指すメリット

会社員、自営業の方などが働きながら、その先にある司法試験を目指し、予備試験対策、受験をしていくメリットは、3つあります。

本章では、以下について解説いたします。

  • 特別な受験資格がない
  • 法科大学院(ロースクール)に通う必要がない
  • スキマ時間を活用して学習できる

2-1:特別な受験資格がないので社会人でも受験できる

予備試験は、働きながらでも、受験可能です。

現在の職業の有無、最終学歴、年齢、国籍など一切の受験制限がなく、受験を希望すれば誰でも出願できます。

ただし短答式試験の会場は、都道府県ごとではなく主要都市7カ所となりますので、特に県外の場合など、新幹線や飛行機で向かうことになるため、下記の費用を負担しなければなりませんが、働きながらの受験ですので問題はないでしょう。

  • 受験料 17,500円(令和7年)
  • 交通費 5,000~20,000円程度(片道)
  • 宿泊代 10,000円程度(1泊)

なお、予備試験の出願は例年3月となっていますので、忘れないようにしてください。

2-2:法科大学院(ロースクール)に通う必要がない

予備試験を受験するメリットは、法科大学院に通わずに司法試験合格を目指せることです。

通常、法科大学院は法学を修めた方でも2年、法学未修者は3年通学する必要があり、会社も休職するか退職する必要が出てきます。

法科大学院ではなく予備試験受験を選択するメリットの最たるものは、今の会社を休むことなく、辞めることなく法曹を目指せることです。

また、自分が決めた方針・ペースでムリなく学習を進められる点と、司法試験までの道のりをショートカットできる点にあります。

予備試験を一発合格できれば、その夏、司法試験の受験会場に足を運べます。

予備試験を選択せず、これから法科大学院入学を目指す方は、今を1年目とすれば法学を修めた方でも司法試験を初受験できるのは少なくとも3年目、未修者は4年目となります。

特に法学部を出て会社員として働いている方、法務部で働いている方、大卒程度の公務員試験合格経験者なら、最短2年で司法試験受験に駒を進めることも夢ではないでしょう。

ちなみに法科大学院に通うメリットは、課程を終了すれば誰でも司法試験への受験資格が与えられることで、2023年からは学長の認定を得られれば在学中に司法試験を受験できるようになりました。

しかし法科大学院に通うのは、いいことばかりではありません。

誰でも入学できるわけではなく、まずは選抜試験を突破する必要があります。

いわゆる「関所」がひとつ増えることになりますし、学費も必要になります。

もちろん2~3年通えば無条件に受験資格を与えられるわけではなく、真面目に法科大学院に通っても、留年を余儀なくされたり、進級を断念したりして課程を修了できず受験資格もあきらめざるを得ない学生は一定数いるのです。

法科大学院に入学できる実力があるわけですから知識不足というよりも、法科大学院自体が合わない場合も考えられます。

独学で受かる自信があれば、働きながら予備試験を目指すほうがいいのかもしれません。

2-3:スキマ時間を活用して学習できる

予備試験(特に短答式)対策は最初、条文や判例、模範解答などを読み込むなどしてインプットしていくところから始めると思います。

そのためテキストや参考書、スマートフォンの動画や音声を駆使しての学習がメインとなり、多くの方が通勤中、電車・バスならたとえ立っていても本や動画を見て、運転が必要なら音声を流しながらインプットしていくでしょう。

また仕事の合間(休憩時間)、予定が入っていないとき、寝る前、起床後などスキマ時間を見つけて、学習していくはずです。

このように予備試験対策はいつでも、どこでもスキマ時間を活用できます。

3章:働きながら予備試験を目指す難しさ

社会人が予備試験合格、司法試験受験までたどり着くのは、本当に至難の業です。

本章では、令和6年司法試験予備試験の実際の職種別合格率と、社会人の予備試験突破が困難な理由について説明します。

3-1:社会人の予備試験合格率は1.3%以下

社会人の予備試験合格率は、想像以上に厳しいです。

令和6年の予備試験合格者は先述のとおり449名、そのうち出願時に法科大学院生だった方は8名、現役大学生は279名であることがわかっています。

社会人の出願者数は6992名で、合格者は89名です。

内訳は次のとおりでした。

 

出願者

合格者

会社員

3787名

50名

公務員

1711名

30名

教職員

211名

2名

塾教師

137名

0名

自営業

850名

6名

法律事務所事務員

296名

1名

社会人の合格率は1.27%となっているのです。ちなみに大学生の合格率は6.58%でした。

なぜ社会人の合格率が低いのか、それはやはり学習時間の確保が難しいからです。

3-2:勉強時間の確保が難しい

1日の1/3は睡眠、1/3以上を通勤・勤務に充てなければならない社会人は、圧倒的に時間の融通が利きません。

時間外労働、上司や取引先からの飲みの誘い、部下からの相談、クレーム、得意先への短納期対応など急用が入ることが日常茶飯事で、学習計画を立てていても、完璧に実行していくのは難しいでしょう。

部活顧問業務に運動会など、残業・休日出勤が多く過重労働が取り沙汰されて久しい教職員の合格率は、わずか0.94%ですから勉強時間の確保の可否が、合否を左右しているのは明白です。

3-3:精神的・肉体的負担が大きい

社会に出ると、仕事で失敗したり、責任が生じたりすることもありますし、上司、同僚、取引先などとの人間関係がうまくいかず、精神的負担として重くのしかかることもあります。

責任感が強い方ほど昇進、昇格、配置転換、転職などによるプレッシャーを人一倍抱えやすいはずです。

また、真面目な方ほど、仕事量が増えても周囲に協力を求めることはせずに、ひとりで抱え込み、体を酷使しやすい傾向にあります。

働くだけでもしんどいなか、仕事と予備試験対策の両立を貫くことは、間違いなく精神的・肉体的にもかなりの負荷がかかるのです。

もしも働きながら予備試験の勉強をすることに、家族が理解を示さないなら、家庭内でもトラブルや軋轢が生まれ、それが大きなストレスとなるでしょう。

4章:働きながら予備試験に合格するための対策

働きながら予備試験の合格を勝ち取るのは難しいと感じた方も多いと思いますが、ひとつ言えることは、働きながら勉強して、予備試験を突破した方が2025年、89名もいたということです。

一度きりの人生、なりたい自分になれるよう、あきらめずに進んでいきましょう。

予備試験に合格し、司法試験受験資格を得るためには、以下の3つを実行していくことが大切です。

  • 学習時間を確保する
  • 効率的な学習法を身に着ける
  • メンタル面のケアとモチベーションの維持を心掛ける

4-1:学習時間を確保する

働きながら予備試験を受ける場合の学習時間は、会社、職業(仕事内容)、通勤方法、家庭環境などにより異なり、人によって千差万別です。

しかし多くの方が、平日の夜、休日に学習を進めていきますので、これだけではライバルと学習時間で大きく差をつけリードすることができません。

残業や家族サービス、親戚付き合いなどで、学習時間を削られることも少なくないでしょう。

そのため平日の日中、いかにスキマ時間を見つけていくかが、合格へのカギとなります。

2章で述べたように通勤、休憩の時間帯はもちろんですが、家族サービス、親戚付き合い中でも、ひとりになれる時間が少しでも確保できれば、有効活用していくべきです。

スキマ時間はいつ、どこで現れるかわからないため、予備試験対策本やスマホは、合格する日まで四六時中、肌身離さず持っておくようにしましょう。

また、トイレにも本を積んでおく、バスルームでは音声を流せる環境を整えておくのも有効です。

4-2:効率的な学習法を身に着ける

大学生や法科大学院生に比べると、圧倒的に時間が足りないのが、働きながら予備試験を受ける社会人の宿命といえます。

そのため学習時間の確保に加え、限られた時間でいかに多くのことをインプットし、正しくアウトプットできるかが重要となってきます。

自分に合うテキストや参考書、動画教材や音声教材を早い段階で見つけるようにしましょう。

また学習場所も重要で、寝室や書斎があっても家族の干渉が多い、騒がしすぎると、なかなか集中力を発揮できません。

近所のカフェ、コワーキングスペース、図書館、自家用車など自宅以外でも勉強に集中できそうか、まずは試してみましょう。

昔、志望校に合格したときの学習方法は、自分に合っていて効率的といえます。

学生時代どのような勉強方法で暗記していたかなどを思い出し、実践してみてください。

4-3:メンタル面のケアとモチベーションの維持を心掛ける

予備試験の合格率の低さや、思うように学習計画が進まない事態に直面するとメンタルが落ち、心が折れ、予備試験を受けるのをやめたくなるときも出てくるでしょう。

しかし大切なのは予備試験に合格することであり、合格率の低さを気に病むことや計画通りに学習を進めることにこだわるのは本質的ではありません。

心が折れそうなときは「予備試験の前日までに合格できるレベルに到達できさえすればよい」と自分に言い聞かせるようにしましょう。

合格できるレベルに到達するには、たとえ10分しか確保できなくても毎日、勉強し続けることが大切で、要所要所で模試を受け成績に表れてくれば、自信につながっていくはずです。

また学習時間を確保するために睡眠時間を削る、趣味や運動をやめる、家族や友人とコミュニケーションを断つのはメンタル面のケア、モチベーションの維持においてはマイナスに働く場合があります。

毎日の学習を心がけつつ、睡眠、好きなこと、家族や友人との時間を持つことでストレスが解消でき、効率よく集中しての勉強も可能となり、良い結果を得られるでしょう。

まとめ:働きながら予備試験に合格するための対策

働きながら予備試験を受け合格を勝ち取るためには、以下の対策が有効です。

  • スキマ時間をムダにしない
  • 自分に合ったテキスト・参考書・動画・音声を早い段階で見つける
  • 計画通りの学習よりも予備試験合格に照準を合わせる
  • メンタルダウンにつながるといわれていることを把握しやめる
  • 好きなことも続け家族・友人とも付き合いをやめない

働きながら勉強するのはムリだ、圧倒的に時間がない、計画通りに勉強できない、予備試験を受けようか受けまいかと悩む、そう考えている時間もスキマ時間といえます。

スキマ時間を活用していくほか、上に列挙した内容をすべて、まずは実践してみてください。

これらを意識して継続していくことで、予備試験はもちろん司法試験合格に着実に近づくことができるでしょう。

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